BFI(Brain-Finger Interface)
4スタンス理論×関節神経学×脳科学=BFI
■4スタンス理論とは?
JOC(日本オリンピック委員会)スーパーバイザー・廣戸聡一先生によって発表された運動理論。
『ヒトの身体には生まれつき4つのタイプの異なる運動特性があり、そのそれぞれによって重心バランス、身体の軸、動かし方などが違っている』
というもの。
脳科学の視点からは『ヒトの脳内にある運動プログラムは4種類ある』と言い換えることができます。
※4スタンス理論の概説はこちらの動画をご覧ください。
ところが、こうした自分本来の動かし方(タイプ別の取扱説明書)を知らずにいると身体操作を誤ってしまう恐れがあり、場合によっては脳内の運動プログラムに問題を抱えることになります。
これによってバランス感覚が悪くなったり、ケガをしやすくなったり、腰痛や肩こりといった慢性痛につながることがあるのです。
もしテニスのジョコビッチ(A1)がフェデラー(B2)のバックハンドを真似したら大スランプに陥るでしょうし、もしサッカーの本田選手(A1)がベッカム(B2)のキックに憧れ、お手本にしていたらミランでプレーすることはなかったでしょう。
ですから、まずは自分がどのタイプなのかを知る必要があります。
■あなたのタイプは?
当院ではBFI施術前、もしくは必要に応じて重心タイプの判定を行っています。
後天的なクセが強い人ではタイプの判別が難しいケースもありますが、ここでは簡単なテスト法をご紹介いたします。
◆重心がつま先寄り(Aタイプ)か、かかと寄り(Bタイプ)かを調べる方法◆
立った状態で、パートナーに自分の片方の腕を引っ張ってもらいます。このとき、
①手首をつかまれたときの方が踏ん張り感が強い人...Aタイプ
②肘をつかまれたときの方が踏ん張り感が強い人......Bタイプ
基本的にAタイプは物を握るときに指先をメインに使うのに対し、Bタイプは手の平に近い方で握るという違いがあります。
たとえば買い物のビニール袋を持つとき、Aタイプは指先に引っかけて持つのに対し
、Bタイプは手の平に近いところで持ちます。
◆重心が内側(1タイプ)か、外側(2タイプ)かを調べる方法◆
まっすぐ自分の腕を伸ばした状態でパートナーに上から押さえてもらい、自分の腕を上に持ち上げます。
このとき、
①人差し指と親指でOKマークを作ったときの方が自分の腕を上げる力が強い人......
1タイプ
②薬指と親指でOKマークを作ったときの方が自分の腕を上げる力が強い人............
2タイプ
以上の結果を受けて自分のタイプが決定します。
「つま先内側型」...A1 「かかと内側型」...B1
「つま先外側型」...A2 「かかと外側型」...B2
となります。
自宅でやってみたけど、判然としなかった...という方もいらっしゃると思いますが、心配ありません!
他にもいくつかの検査法があり、当院においてより正確な判定をいたします。
■4スタンス理論による身体の軸と動きの違い
Aタイプは身体の軸がみぞおち辺りや膝にあり、かつ伸び上がる動作がしやすいので
、たとえばガッツポーズはタイガーウッズのようにコブシを上に振り上げます。
他方Bタイプの軸は首の付け根辺りや股関節にあって、かつ沈み込む動作がしやすいので、少し猫背気味にコブシを手前に引くガッツポーズとなります。
またA1とB2は身体の連動性が下半身と上半身でクロスするため、捻じる(ひねる)動作がしやすく、A2とB1は同側半身が連動するため捻じらない(ひねらない)動作となります。
つまりイチロー選手(A1)と松井秀喜氏(B2)のバッティングは“ひねり回転系”となり、王貞治氏(A2)と長嶋茂雄氏(B1)は“体重移動系”となります。
またイチロー選手と王氏はAタイプ独特の伸び上がるようなフォームとなり、長嶋氏と松井氏はBタイプなので沈み込むフォームとなるわけです。
このことから、超一流選手は生まれつき持っている運動プログラムに、極めて忠実にしたがっているという見方ができます。
■関節神経学とは?
関節の神経支配を研究する領域において、とくに関節受容器(関節センサー)の働き-加速度や振動などの情報を中枢に送る-が知られています。
これによって筋肉の緊張が微調整される仕組みは「関節反射」と呼ばれ、関節同士の連動性(“関節運動連鎖”と呼ばれることもある)を構築しています。
こうした目に見えない関節反射をリハビリテーション医学に応用したところ、特定の関節に繊細な刺激を加えると広範囲に渡って筋肉の緊張が変化することが分かりました。
このときの変化領域は症例によって若干の違いが見られるのですが、この理由こそが4スタンス理論による重心タイプの違いだったのです。
生まれつき異なる4タイプの運動特性とは、すなわち『関節反射の通り道が4タイプある』ことを意味していたのです。
■4スタンス理論タイプ別に分かれる関節反射ルート(Aタイプ)
■4スタンス理論タイプ別に分かれる関節反射ルート(Bタイプ)
BFIは、小脳の回路を正常化することで痛みやしびれを改善させる技術です。
実際のテクニックとしては、4スタンス理論の重心タイプにしたがって上図に示した関節に非常に柔らかな刺激を加えていきます。
これにより生まれつき持っている本来の運動システムが回復し、小脳回路の最適化につながると言われています。
その結果、筋肉の緊張バランスが回復することで歪んだ骨格が自然矯正されます。
また皮膚軟部組織の緊張が解かれることで長年続いていた頑固な胼胝(タコ)や鶏眼(ウオノメ)が改善されるといった現象も認められます。